ラーメン屋は儲かる?店主の年収は?——月の売上から手元に残るお金まで、実際の数字で全部見せます
2026-11-02

「ラーメン屋って、儲かるの?」
これ、本当によく聞かれるんですよね。で、ネットで調べると、「客単価900円で、1日100杯売れたら……」みたいな計算が、いっぱい出てくる。
でも、あれ、机の上の計算なんですよね。
なので今日は、うちの実際の数字で答えます。レシートと、通帳と、税理士さんに出している資料から拾った数字です。
先に、結論を言いますね。
僕の手元に残るのは、月に50万〜60万円くらいです。
単純に12倍すると、年で600万〜700万円くらい。これが、地方で小さなラーメン屋をやっている店主の、正直なところです。
じゃあ、その50万〜60万円が、どこから来て、どこへ消えていくのか。全部、見せますね。
売上は、月に約330万〜390万円
まず、入ってくるお金から。
うちのレシートを、毎日記録してるんですけど、この夏から秋の4か月は、こんな感じで。
| 月 | 売上 | お客さん | 1日の平均売上 |
|---|---|---|---|
| 7月 | 約331万円 | 約3,850人 | 約13万円 |
| 8月 | 約385万円 | 約4,600人 | 約16万円 |
| 9月 | 約372万円 | 約4,370人 | 約15万円 |
| 10月 | 約326万円 | 約3,800人 | 約13万円 |
1日に来てくれるお客さんは、だいたい150人〜190人。客単価は、850円前後です。
8月が一番多いのは、お盆があるからですね。逆に、10月はちょっと落ちてる。季節で、けっこう動くんですよ。
「月に300万円以上も売れてるなら、儲かってるじゃん」
そう思いますよね。僕も、雇われてたころは、そう思ってました(笑)。
でも、ここからが本番なんです。
出ていくお金を、全部並べると
9月を例にしますね。売上は、約372万円。
| 出ていくもの | 9月の金額 |
|---|---|
| 材料費(原価率32%) | 約119万円 |
| パートさんの給料 | 約40万円(忙しい8月は約48万円) |
| 家賃 | 10万円 |
| 電気 | 約10万円 |
| ガス | 約7万円 |
| 水道 | 約2.4万円(2か月で約4.8万円) |
これを引くと、残りは約180万円。
……あれ、けっこう残るじゃん、って思いました?
僕も、表にしたとき、一瞬そう思ったんですよ。でも、違うんですよ。
ちなみに、ガス代が月7万円もかかるのは、スープを長い時間炊くからです。電気も、冷蔵庫や製麺の機械、エアコンが一日中動いてる。ラーメン屋の光熱費って、普通の家とは桁が違うんですよね。

180万円が、全部手元に残るわけじゃない
この表には、まだ入っていないものが、たくさんあって。
消耗品、清掃、機械の保守、保険。細かい経費が、毎月いろいろ出ていく。
それから、税金。
開業の「やめとけ」の記事にも書いたんですけど、税金は、儲かってなくても来るんですよ。実際、うちの通帳には、消費税で約100万円が一度に引き落とされた月があります。100万円ですよ。ラーメン、1,000杯以上ぶんですよ。
こういうのを全部払って、最後に僕の手元に残るのが、月50万〜60万円くらい。
売上372万円のうち、手元に来るのは、だいたい7分の1くらい。そういう商売です。
これを「儲かる」と見るか
月50万〜60万円。年で600万〜700万円くらい。
これを多いと見るか、少ないと見るかは、たぶん人によると思います。
ただ、ひとつだけ言っておくと、この数字は、店主が毎日、店に立ってる前提の数字です。ラーメン屋の一日の流れにも書きましたけど、仕込みから閉店まで、とにかく長い。しかも、閉店して家に帰ってからが本番で、給料計算やシフトや税金のことを、夜中まで考えてる。
その時間ぜんぶ込みで、この金額。それを分かったうえで判断してほしいんです。
一番きつかったのは、オープンしたばかりのころ
じゃあ、一番きつかったのはいつか。
これはもう、オープン当初です。
だって、何も分からないんですよ。それなのに、お客さんはすごく来る。スタッフも、何をやっていいか分からないし、慣れてない。全部が、手探り。
あのころが、一番きつかったですね。
営業的にきついのは、冬
それから、毎年きついのが、冬です。
雪が降っちゃうと、お客さんの足って、急に遠のくんですよ。さっきの表で言うと、売上が一番いい8月と比べて、ガクンと落ちる。
で、ここが難しいところで。
お客さんが減っても、スタッフは働きたいわけですよね。だから、出勤を少なくするにしても、少なくしすぎたら、「じゃあ、辞めよう」ってことになる。
辞められたら、春に困るのは、こっちなんです。だから、つなぎ止めなきゃいけない。
そこは、もう、スタッフとの駆け引きですね。
減らす理由を、ちゃんと説明する。そのうえで、「まあ、しょうがないよね」って納得してもらえれば、OK。説明なしで削ったら、たぶん、人は離れていきます。

儲かる店と、儲からない店の違い
最後に、一番大事な話をします。
儲かるラーメン屋と、儲からないラーメン屋。何が違うのか。
僕の答えは、シンプルです。
自分で、いっぱい汗をかくかどうか。
人に任せると、その分、人件費がかかります。さっきの表で言えば、パートさんの給料の行が、どんどん太くなる。
もちろん、人に任せること自体は、戦略としてありなんですよ。ただ、それなら、ちゃんと次につなげないとダメなんです。
社員を雇って、自分の手が空いた。じゃあ、その空いた手で、何か別のことをする。もう一店舗出すとか、新しい仕事をつくるとか。そういう考えをしないとダメ。
一番ダメなのは、社員を雇って、「やった、手が空いた」で終わっちゃうこと。
それは、人件費を払って、自分が楽をしてるだけなので。その分、手元に残るお金は、確実に減ります。
店主が倒れたら営業停止、という話でも書きましたけど、個人のラーメン屋の一番の強みも、一番の弱みも、店主そのものなんですよね。
……と、ここまで言うとね、こう思いますよね
自分へのツッコミも、書いておきます。
「そんなに数字を出して、大丈夫なんですか?」
正直、ちょっと迷いました。
でも、ネットにあるのは、「客単価×杯数」の計算ばかりなんですよ。本当に開業を考えてる人が知りたいのは、たぶん、計算じゃなくて実際の数字だと思うので。
「原価率32%って、高くないですか?」
ラーメン屋としては、普通くらいだと思います。原価の内訳は、トッピングまで別の記事で全部出してます。
「同じくらい売れれば、誰でも同じくらい残るんですか?」
それは、分かりません。家賃も、人件費も、店によってぜんぜん違うので。
それに、同じ味を出しても、場所が違えば、同じだけお客さんは来ない。売上そのものが、店によってまるで違うんですよ。この数字は、あくまで「うちの場合」です。

ラーメン屋は、汗をかいた分だけ残る商売
まとめますね。
うちの売上は、月に約330万〜390万円。そこから、材料費、パートさんの給料、家賃、光熱費を引くと、約180万円。さらに細かい経費と税金が出ていって、僕の手元に残るのは、月50万〜60万円くらいです。
一番きつかったのは、何も分からなかったオープン当初。毎年きついのは、雪でお客さんが遠のく冬。
そして、儲かる店と儲からない店の違いは、自分でいっぱい汗をかくかどうか。
ラーメン屋は、儲かるのか。
僕の答えは、**「汗をかいた分だけ、ちゃんと残る商売」**です。