売上が悪い日、店主は駐車場の車を数えてました——暇な日の頭の中、全部書きます

夕方、車が一台もない店の駐車場

今日はね、普通は隠す話をします。

売上が悪い日、店主が頭の中で何を考えてるか——1年目の恥ずかしいやつから、今の考え方まで、全部書きます。

1年目:駐車場の車を、数えてました

開店して1年目、2年目。売上が悪い日は、正直、気が気じゃなかった

どれくらい気が気じゃなかったかというと——嫁に、近くのラーメン屋を見に行ってもらってました。 偵察です。

見るのは、駐車場の車の台数。うちが何台で、近くの店が何台か。

で、よその店も少なかったら——「ああ、なんだ。周りも売上低いのか」って、安心するんですよ。(性格悪いですね。すみません)

逆に、うちが0台とか1台で、よそが3台、4台入ってたら——「なんで、うちだけ来ないんだ?」って、頭を抱えるわけですよ。

妄想が、始まるんですよ

で、お客さんゼロの時間が長く続くと、何が始まるかというと——妄想です。

もしかして、悪い噂が広まってるんじゃないか。口コミで悪いことを書かれてるんじゃないか。SNSで「あの店まずい」って言われてるんじゃないか。「あの店主、プライベートで変なことしてるらしい」なんて言われてるんじゃないか。

……実際には、そんなことは何もないんですよ。何も。でも、暇な時間って、そういう妄想がどんどん湧いてくる。表では平気な顔してましたけど、内心は、めちゃくちゃ焦ってました。

これが、1年目と2年目の僕です。

4年目の今:「こういう時も、あるよな」

で、3年目、4年目になった今はどうかというと——

「まあ、こういう時も、あるよな」

これくらいに思えてます。売上が悪い日があっても、焦らない。空いた時間ができたら、体を休めたり、裏に入って経営の本を読んだり、勉強したりするようになりました。スタッフには、普段できない掃除をしてもらってます。

何が変わったのか。売上が安定したから? それも半分あって。でも、いちばん大きいのは考え方がひとつ変わったことなんですよ。

今日の売上は、今日の成績じゃない

その考え方が、これです。

今の成績は、過去の積み重ねの結果なんですよ。

今日お客さんが来ないのは、今日のせいじゃない。過去のどこかの積み重ねが、今日の数字になって出てきてるだけ。通知表みたいなもんですよ。テストの点は、テストの日に決まるんじゃなくて、それまでの勉強で決まってるじゃないですか。あれと同じ。

前に書きましたけど、店の評価は知らない間に決まってる。2年前の仕事が、面接に歩いてきたこともありました。良いことも悪いことも、今日出てる結果は、ぜんぶ過去の仕込みの答えなんです。

——だとしたら。今日、暇な時間にジタバタしても、今日の売上は変わらないんですよ。もう決まってるので。

じゃあ今日できることは何か。未来の売上の仕込みだけ。体を休める(店主が倒れたら店ごと終わるので)。本を読む。スタッフと掃除をする。どれも今日の売上にはなりません。でも、全部、いつかの売上になる。

ちなみに裏で読んでる本、僕が実際に読んだやつを一冊置いておきますね。

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店の裏の休憩スペースで、本を読んでいる手元

焦らないのと、何もしないのは違う

誤解しないでほしいのは、「気にしない」って話じゃないんですよ。

来ないときに「どうやったら来るか」を考えるのは、大事で。今もやってます。ダメだった部分は、今後直さなきゃいけない。そこから逃げたら、未来の暇な日が増えるだけなので。

変わったのは、考える動機です。1年目は「焦り」から考えてた。今は「仕込み」として考えてる。同じ「考える」でも、焦りから出た手は雑になるし、仕込みとして打つ手は積み重なる。ここ、けっこう違うんですよ。

……と、ここまで言うとね、こう思いますよね

自分へのツッコミも書いておきます。

「よその駐車場を数えて安心するの、どうなんですか(笑)」

どうなんでしょうね(笑)。でも、1年目の店主って、たぶんみんなやってます。よそも暗いと安心する——人間なので。

ただ、いま振り返ると、あれは何も生んでなかったです。よその車を数えても、うちの客は1人も増えない。数えるべきは隣の駐車場じゃなくて、自分の仕込みだった。

「妄想は、どうやって止めたんですか?」

事実を見る、です。口コミを実際に開いて読むと——悪いこと、書かれてないんですよ。妄想は、確認しない暇の隙間に湧くんです。

あとは、暇に仕事を入れること。休む・読む・掃除する、って決めておくと、妄想の入る隙間がなくなる。妄想の特効薬は、手を動かすことでした。

「余裕が出たのは、結局売上が安定したからでは?」

半分は、そのとおりだと思います。正直に。

でも順番はたぶん逆で——考え方を変えたから、暇な日が怖くなくなった。怖くないから、暇な日を仕込みに使えた。その仕込みが積み重なって、今がある。……と、僕は思ってます。証明はできませんけどね。

閉店後、モップで床を磨いている後ろ姿

暇な日は、未来を仕込む日

まとめますね。

今日の売上は、過去の通知表。今日の過ごし方が、未来の売上。

だから売上が悪い日は、ジタバタする日じゃなくて、未来を仕込む日です。店主は休んで、学ぶ。スタッフは普段できない掃除をする。妄想が湧いたら、事実を見て、手を動かす。

1年目の僕みたいに、今夜どこかの駐車場で車を数えてる店主さんがいたら——その足で店に戻って、掃除でもしましょう。その1時間は、車を数えるより、確実に未来の売上になるので。