現状維持を好むスタッフの見分け方——返事より、歩き出しの速さを見る
2026-08-21

今日はね、僕が苦手な人のタイプの話です。
前に苦手なスタッフを放っておくと、頭の中を占領されるっていう記事を書きました。今日は、その一歩奥の話をします。
そもそも、僕は何が苦手だったのか。
現状維持の人が、苦手でした
いろいろ働いてきてね、気づいたことがあるんですよ。
僕は、現状維持を好む人が苦手だ。
経営者ってね、常に前に進もうとするじゃないですか。新しくやってみよう、もっと良くしよう、って。それが仕事みたいなところがあって。
でも——現状維持を好む人が、スタッフの中にいるんですよ。
これ、悪口を言いたいわけじゃないんです。そういう人がいるっていう事実に、僕はある日、気づいたっていう話で。
それが、どこに出るか
じゃあ、どういうときに分かるのか。
たとえばね、こういう場面です。
「今まではこうやってましたよね。でもこっちのやり方のほうが丁寧にできるので、これからはこうしましょう」
——作業のやり方を、変えるとき。
このときにね、その人の人柄が、けっこう出るんですよ。
5人いたら、4人は「はい」と言う
スタッフが5人いる場面を思い浮かべてください。僕が、さっきのことを言う。
4人は「はい」って言うんです。
でも、その人だけ、こうなるんですよ。
「はぁー」
……伝わりますかね、これ(笑)
ワンテンポ遅れるんです。うなずきも浅い。「はい」なのか「はぁー」なのか、微妙。
あからさまじゃないんですよ。だから指摘もできない。でも、確実に違う。
「今まで大丈夫でしたけど」問題
もうひとつ、よく出るのがこれで。
「今まで、それで大丈夫でしたけど」
——出た、って思いますよね。
でもね、ここが大事なところなんですよ。
この言葉、それだけでは判定できないんです。
なぜかっていうと、ただ理解してないだけのパターンが、けっこうあるからで。
なんで変えるのか、変えると何が良くなるのか。それが分かってないから「今まで大丈夫でしたけど」って言ってるだけ、っていう。
で、そういう人にはね、ちゃんと説明してあげるんです。そうすると——
「ああ、なるほどね」
——理解してくれるんですよ。 これは、わりと簡単なんです。説明すれば済む話なので。
だから僕、「今まで大丈夫でしたけど」を聞いても、すぐには判断しません。
本当に出るのは、そのあとなんですよ
問題はね、ここからなんです。
理解した後の、行動までが、めちゃくちゃ遅い。
「はい、じゃあ取り掛かろう」ってなったときに、すたすたすた、と歩き出す人と、とぼとぼとぼ、と歩く人がいるんですよ。
——これね、分かれるんです。
僕はここを見てます。歩き出しの速さ。
理解はした。返事もした。でも、体が動かない。
なんでかっていうと、たぶん心のどこかでまだ納得してないからなんですよね。「今まで通りでいいのにな」が残ってる。それが、歩き出しの一歩目に出ちゃう。
これ、けっこう深いと思いますよ。(ここ、自分でもいい気づきだったと思ってます)
言葉なんてね、いくらでも取り繕えるんです。「はい」って言うのは簡単ですから。でも、歩く速さまでは、取り繕えない。

逆に、前に進む人はこうです
対比を書いておきますね。
前に進もうとする人はね、まず即答なんですよ。
「はい、やってみます」——迷いがない。
そして、ここが面白いんですけど、その人たちはさらに提案してくるんです。
「それ、もっとこうしたらどうですか」
——こっちが「変えよう」って言っただけなのに、その先を持ってくる。
これね、明らかな違いです。同じ話を聞いて、片方は歩き出しが遅れて、片方はもう次を考えてる。
辞めたあの人は、そのものでした
正直に書きます。
前に辞めていったあの人は、この"現状維持の人間"そのものでした。
僕が「苦手だ」と思ってた正体は、たぶん、これだったんですよ。
態度が悪いわけじゃない。サボるわけでもない。ただ、前に進まない。
僕が新しいやり方を言うたびに、あの「はぁー」が返ってくる。歩き出しが、いつも半歩遅い。——それが3年続いたんです。
そりゃあ、しんどくなるよなあ、と。今なら分かります。
……と、ここまで言うとね、こう思いますよね
自分へのツッコミも書いておきます。
「じゃあ採用で見極めればいいじゃないですか」
——そうなんですよ。そう思いますよね。
でも正直に言いますね。それができたら、苦労してません。
面接の30分で、その人が現状維持タイプかどうかなんて、分かるわけないんですよ。 面接ではね、みんな前向きなことを言いますから。
そこが、いちばん大変なところなんです。
だから僕がやってるのは「見極める」じゃなくて——できるだけ見ようとする、それくらいで。正直、そんなもんです。
「変化を嫌う人が、悪いんですか?」
いえ、悪くないです。
安定して同じことを続けられるって、それ自体が能力ですし。工場のラインとか、そういう仕事ならむしろ強みかもしれない。
ただね——うちの店とは、合わないんですよ。
小さい店ってね、毎月なにかしら変えてるんです。券売機のボタンの並びも、盛り付けの手順も、シフトの組み方も。変わり続けることが前提の職場なんですよね。
だからこれは「良い悪い」じゃなくて、**「合う合わない」**の話です。そこは、はっきりさせておきます。
「自分が変化を押しつけてるだけでは?」
……これは、あるかもしれません。
僕が「もっと良くなる」と思って言ってることが、本当に良くなってるのか。そこは、自分でも自信がないときがあるんですよ。
だからね、さっきの「もっとこうしたらどうですか」って提案してくる人が、僕にはありがたいんです。あれ、僕の変化を止めてくれることもあるんですよ。「それ、やらなくていいんじゃないですか」って。
前に進む人って、ただ従う人じゃないんですよね。

誰と組むかを、決めるということ
まとめますね。
僕は、現状維持を好む人が苦手です。これは、はっきりしました。
だから、常に前へ、今よりもっと良くしていこうっていう人と働きたい。
冷たく聞こえるかもしれません。でもね、3年かけて一人を諦めたあとに出た結論なので、きれいごとでは書けないんですよ。
見分け方を、もう一度だけ。
返事じゃないです。歩き出しの速さです。
「はい」なんて誰でも言えます。でも、そのあとすたすた歩き出すかどうかは、ごまかせない。
——そして最後に、いちばん大事なことを。
面接では、たぶん分かりません。 僕にも分かりませんでした。
だから、入ってもらってから見る。新しいやり方を伝えて、その一歩目を見る。 それしか方法がないんだと、僕は思ってます。